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パート4:デパートでは反復識別技術をどのように活用できるのか?

2025年8月5日 によって書かれたSensormatic News Desk

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小規模な小売店とは異なり、デパートでは、来店客数カウントやコンバージョン率の計測に対するアプローチが異なります。何人が来店し、いくら使ったかのかを確認するという、全体的な内容は変わりませんが、運営規模がはるかに大きくなるという点がデパートの特徴です。複数のフロアがあり、店舗内に多様な小売カテゴリーが存在するデパートの目標は、基本的な重要業績評価指標(KPI)だけではなく、スペースがどのように使用されているかをより深く理解することにあります。従来型のトラフィックカウント技術でもこれらのうち一部の情報を得ることはできますが、反復識別なら包括的なソリューションと同時に、さらに多くのことが可能になります。

反復識別による来店客数カウント技術とは?

反復識別技術では洗練された人工知能(AI)とディープラーニングアルゴリズムを使用し、買い物客が小売スペース内を移動する際に、衣服のパターンや色、アクセサリー、ロゴなどのユニークな特徴を分析することで、個人を匿名で識別することができます。おかげで、顔認識や個人を特定できる情報(PII)を一切使用することなく、複数のセンサーで個人を識別することができるようになっています。

来店客が向かう先とは?

来店客数カウントソリューションの最初のステップは、境界トラフィック、つまり各入口から入ってくる人数をカウントできるようにすることです。ただし、一度店内に入った来店客がどこへ向かうのかを理解するというのが、その次のステップとなります。アパレルに向かうのか、家庭用品や電気製品売り場に向かうのか?どのフロアに行き、どれだけのフロアを回るのか?それぞれの売り場でどれくらいの時間を費やすのか?

従来型の来店客数カウント技術でも、こうした情報の一部は把握することができます。各フロアの入り口にカメラを設置することで、特定の領域への来店客数を追跡し、Wi-Fi を利用して得られる滞在時間データでそれを補完するというものです。しかし、このアプローチには限界があります。1人の客が何度も同じフロアを訪れた場合、このシステムでは複数回カウントされるためです。Wi-Fi で滞在時間を推定することはできますが、広いエリアをカバーするには複数のタグが必要となる上、それでもサンプルレベルのデータしか手に入りません。

反復識別技術なら、複数のデバイスにまたがって一意的に来店客を識別・認識することができるので、従来型の来店客数カウント技術では不可能なことが可能になります。そのため、来店客が試着室に入るなどして一時的に視界から消えても、再び視界に入ったときに再カウントされたり、新規の来店客として識別されることがなくなります。

反復識別技術を使用することで、買い物客が複数のフロアを幾度となく回ったとしても、一人の客としてカウントできるようになるのです。また、過剰なデバイスがなくても、来店客がフロアのどの売り場を訪れるのか確認できるようになっているため、店内のショップや賃貸スペース、レストラン、カフェなどに最適です。このデータによって、各売り場がデパートにもたらす価値を強調し、買い物客全体のうち、その売り場に関心を持つ人の割合を明らかにすることができます。さらに、反復識別なら、来店客の出入りを追跡できるので、ゾーンやフロア、店舗レベルで国勢調査レベルの滞在時間データを入手することができます。

カスタマージャーニーの分析と通行人

反復識別技術の最も強力な利点の1つとして挙げられるのは、カスタマージャーニーを理解できるという点です。デパート全体の来店客をモニターすることで、反復識別では、来店客がどこに向かい、どのような経路をたどるのかを確認することができます。つまり、反復識別なら、最初に家庭用品コーナーを訪れ、靴売り場に移動してからビューティーコーナーに向かう買い物客の割合を追跡する、といったことが可能となるのです。特定のゾーンやブランド、売り場が著しい集客率を挙げているかどうかを特定し、来店客に最も人気のあるカテゴリーを強調して、異なるカテゴリー間の相互訪問パターンを明らかにすることもできます。

また、反復識別を使えば、デパートの来店客が実際には買い物客ではなく、ただの通行人であった場合にもそれを見分けることができます。これは、駐車場に向かう途中で店舗内を通り過ぎるだけの人がいることも考えられる、大規模な駐車場が併設された店舗では特に重要です。反復識別では、来店客を一意的に識別し、店内での滞在時間を追跡することができるので、訪問時間のパラメータを設定することができます。滞在時間が設定した閾値を下回る来店客は、通行人として分類することができるため、デパートにおける実際のトラフィック数をより正確に把握できるようになるのです。

より正確なトラフィックカウントのためにスタッフを除外

デパートの規模が一般的な小売店と比べて大きいことを考えれば、複数のフロアで働く可能性のある従業員数が格段に多くなるのも当然でしょう。それでも、店内にそのような人物が増えるということは、全体の来店客数にも影響を与え、コンバージョンを人為的に低下させるおそれがあります。

反復識別は、他のスタッフ除外技術とは異なり、スタッフを除外するためにバッジやストラップといった特別なウェアラブルの着用は必要ありません。反復識別では人工知能を使用し、店内にいる時間(買い物客が開店から閉店まで店内にいることはまずないため)や制服の見た目などの要素に基づいて従業員を除外できるようになっています。おかげで、スタッフのコンプライアンスや、ウェアラブルが店舗のブランドガイドラインに沿わないといった問題が解消されます。

アクティベーションや店内イベントでの来店客数カウント

反復識別は、アクティベーションや店内イベントの成功を測るためにも使用できます。店内の特定の売り場でプロモーションやイベント(「サンタさんと朝食を共に」やセール、新しいポップアップストアなど)を開催する場合には、反復識別を使って、来店客の移動パターンや滞在時間に大きな変化があったかどうかを分析することができます。おかげで、次のような重要な疑問に対する答えが見つかります。店内のこの売り場にいつもより長く人が集まっていたのか?買い物客はイベントスペースだけを訪れたのか、それとも店内の他の売り場も訪れたのか?反復識別なら、買い物客の行動を明確に理解することができるので、こういったイベントの反響を評価するのに役立ちます。

反復識別の今後の展開とは

反復識別技術は、来店客数カウントに革命をもたらし、通行人や従業員を除外して、来店客数をより正確に測定する方法を生み出しました。また、買い物客がどこで時間を過ごしているのかという貴重なインサイトも提供してくれるので、店舗側が人流パターンや買い物客の購入過程をよりよく理解するのに役立っています。反復識別により、デパートがスペース全体の動きを追跡・分析する方法が最適化され、よりスマートな戦略を推進できるようになって、実用的なインサイトにより全体的な業績を向上させることができます。

反復識別により、トラフィックの正確性やカスタマージャーニーの分析などがいかに劇的に改善されるのか、もっと詳しい説明をご希望ですか? 今すぐ Sensormatic まで、お気軽にご連絡ください。

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