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インテリジェンス主導型損失防止プログラムに必要なツール

2023年10月16日

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データはウソをつきません。小売犯罪は増加しています。小売業者がそれに打ち勝つための最も有望なツールは、データにあることも明かにされています。

パンデミックによって急激に増加した万引き犯罪は、現在も増加の一途をたどっており、高インフレと 盗難に対する寛容な措置 が事態をさらに悪化させています。しかし、最も心配なのは、世界中の多くの地域で増加しているう小売店を狙った組織犯罪(ORC)です。例えば米国では、ORC は 1 年間で 27 % も増加しており、スタッフの安全性と利益に多大な脅威をもたらしています。

「ORC はこれまで、お客様の目に映ることはありませんでした」と、Sensormatic Solutions の Loss Prevention and Liability VP & General Manager、Craig Szklany は指摘します。「しかし現在では、全面的に現れています。このようなニュースを毎日ヘッドラインで目にします。米国では、大手小売店や地方の食料品店でも、武装警備隊が巡回しているのを目にします。ORC は白昼堂々の窃盗を行っており、顧客のブランド認知に悪影響をもたらしています。」買物客は、特定の時間帯や地域ではなく、特定タイプに分類されるすべてのブランドを避けている傾向があります。」

この新たな脅威は、不正による損失を阻止し、スタッフを保護するために、新しいアプローチがを取る必要があることを警告しています。データ中心のインテリジェンス主導型損失防止戦略に切り替えることで、よりターゲットを絞った、効果的な戦略を確立することができます。

データ主導型損失防止対策が未来を左右する理由

店舗は、まだ発見されていないデータの宝の山です。インテリジェンス主導型損失防止戦略にシフトすることで、自由にあらゆる情報を収集、接続、有効化できます。

「現代の小売店は優れた様々なデータを入手できます。しかし、それが必ずしも意味のあるインサイトに結び付くわけではありません」と、Sensormatic Solutions Smart Sensor Technology Director の Ned McCauley は言います。「店舗はデータリッチでも、インサイトを引き出すことがあまり上手ではありません。」店舗には、解釈可能でない、あるいはそのまま解釈できない、実に様々なデータソースが存在するため、全容を見えにくくしています。こうしたインサイトが得られなければ、不正による損失をコントロールすることは難しいでしょう。」

正しく相互接続されたソリューションで、小売業者はどの種類の商品が盗難に遭ったか、どの場所が最もよく標的にされているか、それが収益喪失とどのように関連しているか、また犯人がどの出口を最も頻繁に使用しているかまでも、分析することができます。

これらの要素を追跡することは、より効果的な損失防止戦略を形成するために不可欠であり、小売業者がより積極的な損失対策を講じられるようにするためにも重要です。事実、犯罪が比較的うまくコントロールされている地域でも、小売業者はデータを使用した運営に前向きです。

「アジア太平洋地域(APAC)では、小売業者はその意味で一歩先を進んでいます」と、Sensormatic Solutions アジア太平洋地域 Vice President & General Manager の Daren Ng は述べています。「この地域の小売業者はすべて、防犯カメラをすでに実装済みで、『これらのシステムを使ってどんな分析データが得られるのか』を知りたがっており、損失防止対策を次の段階に進める準備ができています。彼らは接続型システムと、複数のデータソースから得られたインサイトが、(小売の)未来だということを知っています。」

適切なソリューションを見つける

複数のデータソースがあるということは、(少なくとも最初は)素晴らしいことですが、そのために困難もあります。相互接続された最先端ソリューションのエコシステムは、インパクトの大きい損失対策プランとして詳細なインサイトを提供することができますが、適切に最適化される必要があります。正しいソリューションを最初から選択できるようにすることで、試行錯誤する必要がなくなり、小売業者はより完成度の高い損失防止プログラムをより迅速に実現できるようになります。

接続する

接続型 EAS システムは、損失イベントに関する貴重なデータと分析を提供します。確かに、EAS システムは強力な視覚的抑止効果をもたらし、店頭でアラームを発することができます。しかし、これらのデバイスから収集されたデータをもとに、損失イベントの全容をより明確にするために必要なインサイトを入手することもできるのです。 サービスとしての損失管理 (SMaaS) などの、損失管理分析ソリューションのサブスクリプションサービスを使用することにより、店内で最も盗難に遭いやすい場所について、より深く理解するための一歩を踏み出すことができます。これらのインサイトを使って、損失イベントのパターンを特定し、次に狙われるのはどこかを正確に特定し、最も危険な時間帯に合わせてスタッフの配備を計画することで、ORC に打ち勝つことができます。

また、金属箔の貼られたバッグやジャマーなど、周知の犯罪ツールが店内に持ち込まれた場合に、それをするテクノロジーと組み合わせて、店頭のセキュリティをさらに強化することができます。こうした活動から収集されたデータをもとに、次にいつ、どこで犯罪が発生するかを知ることができます。また証拠収集をより効率的に行うために、各損失イベントと関連したビデオ映像を分析プラットフォームに統合することができます。

可視性を高める

Shrink Visibility により、RFID から入手した商品レベルのデータを使って、何が、いつ、どこで盗まれているかをリアルタイムで把握できます。このパワフルな組み合わせを使って損失イベントを見える化することで、盗難イベントの正確な時間、被害の総額を理解することができます。またこのデータを使って、法執行機関はアグレッシブな犯罪者を追求し、起訴する過程で必要な一連の証拠を作成することができます。

このインサイトは、本当の意味で損失防止対策の次の段階に進めるために小売業者を強力にサポートするだけでなく、損失イベントに積極的に対応し、在庫切れを削減し、ORC に対抗し、収益を促進して店舗の運営を向上できるよう小売業者をサポートするようデザインされた、最先端の分析とインサイトを提供することもできます。さらに、ビデオ映像を Shrink Visibility ソリューションと統合することで、視覚的確認と犯罪分析にも活用できます。

しかし、これだけではありません。 Computer Vision  は、既存のカメラネットワークを使用して、AI と機械学習を使い、損失防止ユースケースに伴う疑わしい行動を検索することもできます。Computer Vision はタスクを自動化し、ビデオ映像から意義ある情報を引きだし、進行中のシェルフスウィープ、大集団の来店、徘徊はもちろん、駐車場に一定時間以上駐車している車両など、犯罪活動が疑われる特定の行動を検索します。Computer Vision の「監視の目」を通じてイベントが検知されると、リアルタイムの通知が送信され、犯罪を阻止するために積極的なアプローチが取れるようになります。

こうしたパワフルな分析は、損失防止対策を強化し、お客様とスタッフにとって安全な環境を維持するために役立てることができます。Computer Vision は、窃盗が実際に起こっている時にそれを特定できる有益な技術ですが、企業全体はもちろん、主要な貢献者にインサイトを提供し、より高度なインテリジェント主導型損失防止戦略を実現するための重要なデータソースでもあります。

キーポイント

小売犯罪がより頻繁に、より狂暴に、そしてより高度化する中で、従来の損失防止へのアプローチは十分ではありません。

現代の小売業者は、データという武器を使って、犯罪を阻止し、ORC に対抗するために法執行機関を支援し、総合的に損失軽減を図ることのできる、インテリジェンス主導型損失防止プログラムを開発する必要があります。

接続された EAS ソリューションを導入し、Computer Vision、RFID 対応 Shrink Visibility (損失の見える化)、および強力な損失分析プラットフォームで強化することで、競争市場で不正による損失を阻止するために必要な分析とインサイトを得ることができます。

当社のホワイトペーパー「パンデミック後の世界の小売安全対策」では、世界中の小売犯罪の背景にある原因と、実際の店舗で犯罪を阻止するために小売業者にできることは何かを詳しく見ていきます。

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